【書評】スキルがあれば大丈夫!?『「仕事ができる」とはどういうことか? 』

 

「スキル」を積み上げても上手くなるのは、仕事の一部分における作業である。全体を俯瞰した「仕事ができる」という状態になるには「センス」が必要。本書には、その「センス」を理解し、習得するヒントが書かれています。

この「センス」を身につける上で課題となるのが、自分が「ある分野におけるセンス」を伸ばすことができるのか、事前には分からず、経験を積む中で後から分かってくるという点です。そのため、頑張るインセンティブが働きにくいので「センス」は習得しにくい。

この課題を克服して「センス」を身につけるために機能していたのが修行という考え方。師匠と呼ばれる「センス」がある人のもとで、言われたこと行い、言葉や行動を観察することで「センス」を取得することができる。この時、「センス」がない人を間違って師事すると失敗するので注意。

本書は、今より仕事の全体感を理解して業務をしたい人にオススメです。具体的には、「自己啓発や資格取得をコツコツ続けているが、仕事の活かされてない」と感じている方です。

「センスとは何か」、「センスがある人はどんな人か」を理解する具体例とヒントが多数載っており、参考になります。本書を読んで、身近にいる仕事ができるセンスのある人を見つけて、仕事の進め方を真似したいと感じました。

【書評】顧客以上に顧客を知る『牛に化粧品を売る』

 

「人口4000人の山に囲まれた田舎町で11年連続売り上げ日本一」。今みたいにECも無い時代、東京や大阪などの大都市を置き去り、専門店専用化粧品でNo1。「物が売れる」接客習慣のノウハウが満載です。

想像してみてください。田舎の化粧品店に牛舎で働く初老のおじいさんが来店されました。ご挨拶すると牛の名前を連呼されている。普通だったら困ってしまう状況です。こんな面白いエピソードを用いて、人間にも使える接客方法が学べます。

また、数ある接客習慣のなかでも「顧客台帳」の運用方法の徹底が凄いと感じました。内容は、名前、顔写真、家族構成(ペット含む)、購入品目、来店日時など、あらゆる情報を書き込み、従業員との共有も連絡帳を使い徹底。この作業を愚直に続けることで、「お客様にとって大切なことを知る」。もっと具体的に言うとお客様の生活する様子や考え方までイメージできるようになる。そうすれば、同じ商品だったとしても「あなたから買いたい」という状態を作れる。

本書は他に、「お客様は名前で呼ぶ」、「お客様を外見で選ばない」という基本から、「レジ3回作戦」、「手書きのDMの書き方」、「値引きではなく景品」など、実践的な内容が多く、販売や営業に携わる人にオススメです。

顧客以上に顧客のことを知り、顧客の特別なパートナーとして一生涯寄り添う。

ひとつひとつは難しくないことを愚直に続けることが、接客商売では重要だと改めて認識させられました。

【書評】10秒であなたも動ける! 『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』

 

よく著名人の本に「行動力」が重要だと書かれてますが、実際、なにからやれば良いのか分からなくなることはありませんか?

本書では、「行動力」を生み出す具体的なマインドや考え方を導くコツを優しく解説してます。

マインドに関しては、「不安」な感情を言語化することの大切さが繰り返し述べられてます。例えば、フセンに書いて捨てる。入れたらポジティブな言葉に変わる魔法の箱を想像してそこに入れる。案外これだけで心が軽くなり前向きになり、動く準備ができる。

考え方やコツに関しては、色々な視点を有効活用することが繰り返し述べられてます。例えば、「自分以外の力」を使う、現状となりたい姿(未来)を比較、他者の視点で物事を考えるためテクニックなど。とりあえず、言われた通りやれば大丈夫だと感じるくらい丁寧に書いてあります。

最後に、夢(目標)を語ることの重要性が書いてあり、素敵だと感じました。それも、夢を語ることで現実からフィードバックをもらい、成功確率が高まる。そして、夢を語る時の方法も説明されており、ただ単に「夢を持て~!」と言っていないのが良い。

「行動力」の重要性を書いた本は世の中に多数出ておりますが、具体的なコツが掴めず、行動できていない人もいると思います。本書は、そのような、まだ行動できていない人にオススメです。

「行動力」は、ちょっとしたコツとマインドの使い方で劇的に変わる!
是非、悩んで困って動けないと少しでも感じている方がおりましたら本書を読んでみるという行動から行動してみませんか?

【書評】病める人を減らすことから始めよう『「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?』

本書は、「良い人材が健全に定着する組織を科学的に作る方法」という副題と通り、人が定着しない「組織の病」の原因と対策を、マーケティングの手法を使いつつ、豊富な具体的を出して分かりやすく解説してます。

みなさんの会社や組織では、バリバリ活躍する人が急に辞める一方で、仕事をしているのか分からない人や仕事が辛くて暗くなっている人などが身近にいませんか。それはもしかしたら、「組織の病」が蔓延しているのかもしれません。

「組織の病」とは、メンタルヘルスだけではなく、社員やチームの生産性低下、雰囲気が悪い、採用苦戦、離職など、これら全てが該当します。そしてこの病は、社員が感じる「不満や不公平感」といった「マイナス感情の蓄積」により発生し、そして広まる。この十人十色と思われる社員の「マイナス感情」をマーケティング手法を用いて分類して、対応すべきターゲット絞ることで効率よく解決する。一般的に顧客(市場)に向けて使うマーケティング手法を社員(社内)に用いたところが面白いですね。

では、どのように分類するのか。
まず、個人活性をピラミッド状に捉えると上から順に「①働きがい」、「②働きやすさ」、「③心身コンディション」となり、①が低下すると積極的な離職、②が低下すると消極的な離職、③が低下すると離脱(メンタルダウンなど)となる。

次に、組織の中の人材を5つにグルーピングして考える。このとき、会社を現在けん引している「優秀人材」よりも次に優秀人材になる可能性が高い「ハイポテンシャル人材」や
入社したばかりで次にハイポテンシャル人材になりえる「立ち上がり人材」を優先的に対策を行う。一見、「優秀人材」に対策を実施したくなるが、「優秀人材」は個人が求めるものが千差万別であることが多く、対策が打ちにくいこともあり、思考や求めるものが似ている「ハイポテンシャル人材」と「立ち上がり人材」をまとめて効率的対策する。

余りにも効率的過ぎて恐ろしいですが、ノー残業デーのような全社一律の施策だと「①働きがい」を求める人からすると不満が溜まるのでちゃんと狙うというのは良いですね。 

そして、ターゲット層が決まったら、組織活性につながる「①働きがい」、「②働きやすさ」、「③心身コンディション」の各項目を、従業員意識調査、ストレスチェックなどを用いてモニタリングしながら改善施策を実行します。このとき、改善効果を測る指標は会社や組織によって見やすい項目が異なるので項目や内容の充実も適宜実施します。また、組織活性の把握はいくつかの指標を複合的に見ていく必要があるため専門家と協力して実施するのが良い。確かに、現場で実務を実施しているリーダーや管理職は分析までは手が回らないですね。

著者は、医師でありながら経営学修士(MBA)を取得し、産業医経営コンサルタントとして活躍後、『ココロを扱うコンサルティングファーム』として独立。産業医としての現場の肌感覚とコンサルタントとしての問題を分解して分かりやすく説明する能力により、人事のプロでなくても理解できる内容になってます。是非、組織の若手リーダークラスや管理職以上の方には、「最近の若い者は…」と言う前に、人材育成と管理の基本として読んでほしいです。

このように人材に関する評価手法や対策方法が確立しつつある今、少しずつではありますが多くの組織は良くなっていくと思います。一方で現場は人事の分析結果を待っていれば良いのかと言うと私は違うと考えてます。本書でも少し触れられてますが、社員のココロに「無関心」で「想像力の欠如」した組織ではいくら手法が開発されても「マイナスの感情」の発生を止められない。

社員のココロに関心を持つきっかけとして本書を読んでみるのはいかがでしょうか。

【書評】あなたも知らずに使っている『AI(人工知能)まるわかり 』

 

みなさん、人口知能(AI)と聞くと、どのような印象を持たれますか。「なんか知らないけど凄く便利なモノ」や「自分の仕事を奪う怖いもの」など、期待と怖さが半々という感じではないでしょうか。本書では、人口知能(AI)の開発の歴史や現在できることの説明から入り、今後の見通しや人間とAIの関わり方について解説してます。

「自分の仕事を奪う怖いもの」という意味では、ロボットや人口知能(AI)の性能向上と社会実装により、10~20年後には日本の労働人口の約49%の仕事が技術的には代替可能。
また、この約49%の中には一般事務や銀行員のようなホワイトカラーの業務も代替え可能という調査結果が報告されてます。かなり衝撃的ですね!

そのなると人口知能(AI)が苦手な「創造性」、「コミュニケーション能力」、「非定型(答えが分からない課題)」などに携わりたくなりますが、本書では、そのような観点から将来の仕事や専門領域を決めるのは良くないと言っております。

例えば、人口知能(AI)が苦手な領域である芸術や歴史学を学んでも、実社会でのニーズが少ないので実際に職に就けるのかは疑問だということです。それよりも人間と人口知能(AI)で得意・不得意な領域が違うので、そこを理解して役割分担しながら働くのが良いとのこと。

評者はこのパートを読んで、仕事における創造性とは「仕事で少しでも良くなるように工夫する事」。コミュニケーション能力とは「相手の心情や立場も考えられる人間性(人格)」と「担当業務への深い理解」だと感じた。
なので、好きな仕事で人口知能(AI)もツールとして使って工夫するとともに、人間性と業務理解を高めていくのが良いと考えます。頑張るぞ!

また本書では、産業革命を「分岐点」による日米欧とそれ以外の国で経済成長の伸び方が大きく分かれ、そして、「汎用人口知能(汎用AI)」を導入できるかどうかが「第二の分岐点」になるという。

具体的には、今までは「人 + 機械」による生産活動で、経済成長は「人口」で制限されていた。しかし、第二の分岐点後では、汎用人口知能を導入した国は人という制約条件がなく、汎用人口知能という機械だけで経済成長が可能となる。

評者はここを読み、投資できる資金(GDP等)が大きく、人口が減少していく日本にこそ米中欧と異なり経済成長できるのではと感じた。チャンス到来!

本書はタイトル通り、人工知能(AI)のことをざっくりと理解 できます。人口知能が身近になりつつある今だからこと、全ての人に読んでほしいです。そのかなでも、これから社会に出る学生や既に社会で働いている人は職業選択や仕事の仕方を考えるきっかけになると思いますのでオススメです。

あなたも知らずに使っていると言うように、人口知能(AI)を使ったアマゾンエコー(音声認識)や文章の予測変換は我々の生活を便利にしてくれてます。また、テレホンオペレータの回答案の提示や製品の見た目の検査でも人口知能(AI)は我々をサポートしてくれてます。AIは便利で怖いもののような印象がありますが、本書を読めばAIと人間の得意なことの違いが理解できます。

本書をきっかけとし人口知能(AI)と正しく付き合う方法を学びませんか。

【書評】あなたも知らずに使っている『AI(人工知能)まるわかり 』

みなさん、人口知能(AI)と聞くと、どのような印象を持たれますか。「なんか知らないけど凄く便利なモノ」や「自分の仕事を奪う怖いもの」など、期待と怖さが半々という感じではないでしょうか。本書では、人口知能(AI)の開発の歴史や現在できることの説明から入り、今後の見通しや人間とAIの関わり方について解説してます。

「自分の仕事を奪う怖いもの」という意味では、ロボットや人口知能(AI)の性能向上と社会実装により、10~20年後には日本の労働人口の約49%の仕事が技術的には代替可能。
また、この約49%の中には一般事務や銀行員のようなホワイトカラーの業務も代替可能という調査結果が報告されてます。かなり衝撃的ですね!

そのなると人口知能(AI)が苦手な「創造性」、「コミュニケーション能力」、「非定型(答えが分からない課題)」などに携わりたくなりますが、本書では、そのような観点から将来の仕事や専門領域を決めるのは良くないと言っております。

例えば、人口知能(AI)が苦手な領域である芸術や歴史学を学んでも、実社会でのニーズが少ないので実際に職に就けるのかは疑問だということです。それよりも人間と人口知能(AI)で得意・不得意な領域が違うので、そこを理解して役割分担しながら働くのが良いとのこと。

評者はこのパートを読んで、仕事における創造性とは「仕事で少しでも良くなるように工夫する事」。コミュニケーション能力とは「相手の心情や立場も考えられる人間性(人格)」と「担当業務への深い理解」だと感じた。
なので、好きな仕事で人口知能(AI)もツールとして使って工夫するとともに、人間性と業務理解を高めていくのが良いと考えます。頑張るぞ!

また本書では、産業革命を「分岐点」に日米欧とそれ以外の国で経済成長の伸び方が大きく分かれ、そして「汎用人口知能(汎用AI)」を導入できるかどうかが「第二の分岐点」になるという。

具体的には、今までは「人 + 機械」による生産活動で、経済成長は「人口」で制限されていた。しかし、第二の分岐点後では、汎用人口知能を導入した国は人という制約条件がなく、汎用人口知能という機械だけで経済成長が可能となる。

評者はここを読み、投資できる資金(GDP等)が大きく、人口が減少していく日本にこそ米中欧とは異なり経済成長できるのではと感じた。チャンス到来!

本書はタイトル通り、人工知能(AI)のことをざっくりと理解できます。人口知能が身近になりつつある今だからこと、全ての人に読んでほしいです。そのかなでも、これから社会に出る学生や既に社会で働いている人は職業選択や仕事の仕方を考えるきっかけになると思いますのでオススメです。

あなたも知らずに使っていると言うように、人口知能(AI)を使ったアマゾンエコー(音声認識)や文章の予測変換は我々の生活を便利にしてくれてます。また、テレホンオペレータ

【書評】 モノゴトの真髄に至るには? 『空調服を生み出した 市ヶ谷弘司の思考実験』

【書評】

モノゴトの真髄に至るには?
空調服を生み出した 市ヶ谷弘司の思考実験』

 

「納豆は、腐敗しているのか、それとも発酵しているのか?」、さらには「円周率(π)の数値の列から未来のノーベル賞対象論文を探す方法」など、普段考えたことがない内容を事例として、著者の思考方法をトレースしながら、モノゴトの神髄を理解する方法を解き明かしていく。

 

思考とは、「もしも○○だったら」という好奇心から未来や現在を考えるところから始まる。この時、思考の土台として普遍的なものを基準にすると良い。例えば、熱は熱いところから冷たいところに流れるなど。

 

一方、社会常識や風習など、見えやすい表面的な事実や現実を元に思考すると、少し環境が変わった途端に役にたたなくなる。私自身はこの箇所を読んでコロナウイルスによる社会の変化を思い出した。

 

次に、「思考」とは似ているモノとの差分で深めていくもの。未知のモノゴトを考える際、既に理解している似ているモノと比べて予想する。この時、複雑な事柄が、「何かと似ていることに気が付く」には、同じくらい複雑な事柄に深く関わった経験が必要だ。普段から考えないで生きていると、どんどん思考できなくなる気がして私は怖いと感じた。

さらに、「思考するためには感情や信念が必要だ」という。


もちろん、思い込みにより思考を間違うことや見落とすことはある。しかしそれよりも、何かのタイミングで気付き、思い込みから解消された時の楽しさや最後まで思考続ける力として、感情や思い込みが必要だという。特に、新たな未知なる可能性を見出すためには思考し続けることが必要で、そのためには感情や信念が重要。

 

では、「思考」が出来たとして他人の頭のなかは分からない。それでは、どのように他者に説明して理解を得るのか。


その方法が、「実験」である。実際に実験して証拠を見せたり、体験を共有することが最も理解につながる。実験ができない場合でも、計算問題の途中式のようなイメージで「思考」したプロセスを始めから説明することでロジックとなり理解できる。本書では上記の方法で様々な「思考実験」が紹介されているので、思考を他者に説明する方法としても参考になる。

 

この本は、変化の激しい現代において、表面的な情報ではなく本質をしっかりと思考し、理解して行動したい人におススメ。具体的には、企業のR&D、企画職などで、新しい何かを開発、計画、実行する方。また、この「思考実験」が出来ると他との差別化ができると感じた。私も開発職なので「スペックが…」とか言ってる場合ではない!

 

「思考実験」とはモノゴトの神髄に近づき、理解する方法。本書では多くの「思考実験」の事例をもとに、モノゴトの一側面でしかない表面的な理解や思考ではなく、より本質で水面下にある現実を理解するための「思考」と、それを他者と共有するための「実験」に関して、何度も優しく力強く語りかけてくる。

 

日々の生活や仕事において、ググって知識を得て、対処して終わりにしている身としては、「思考実験を行う時間を意識的に作ろう」と思う次第。

 

みなさんも本書を読んで「思考実験」をしてみませんか。

【書評】新築でなくても大丈夫!『「リノベーション式」不動産投資の超バイブル 』

住む場所を変える時に、「部屋が同じような間取りのものばかりで選べない」と感じたことはありませんか。この本を読めば、「リノベーション」と「マーケティング」を不動産に施すことで個性的で入居者が途絶えない物件になります。

 

リノベーションとリフォームは違う。リフォームは元の状態に戻すだけ。一方、リノベーションは住む人が「心地よい」と感じ、愛着を持てる状態にすること。その中でも新築物件とコンセプトが被らない、時間の経過とともに深みを増す、素朴で味わいのあるデザインが良い。

 

しかし、リノベーションされた物件は家賃も高く、普通の物件検索サイトからは出てこない。そこで、事前のマーケティング(種まき)が重要となります。具体的には、上記のコンセプトにあった家をシリーズとして束ねて、雑誌、SNS、メルマガ等で定期的に配信し、「おしゃれな生活ができる家」として認知してもらいます。そうすることで、引っ越し需要が出たときに直ぐに入ってもらえたり、引っ越す必要が無くても素敵な部屋に住むためだけに入居する方が出てくる。

 

本書は、不動産投資に興味があり、普通のアパートやマンションへの投資とは違った視点で検討したい方に、おススメです。また、おしゃれな家を借りたい人も本書を読んでおくと参考になると感じました。

 

評者は2020年現在、不動産投資の適切なタイミングなのか分かりません。一方で今後のことを見越して、今、不動産投資の勉強しておくのは必要なことだと考えます。

 

立地と広さ以外にも、リノベーションとマーケティングで不動産は変わる。

 

同じような形ばかりでワクワクしない部屋が多いので、この本をきっかけに、リノベーションが進んだ個性豊かな家が増えるといいですね!